オフィスの電気工事を行うときには業者から見積もりを取るのが基本です。
その内容が適正かどうかを判断した上で依頼することが重要になりますが、確認するときにはどのような注意点があるのでしょうか。
コストを少しでも減らしつつ、長期間にわたって安心して利用できるように工事をしてもらうためには重要なポイントがあります。
目次
1.適正さを確認するのが必須
電気工事の見積もりを取る上で最も重要なのは二つの角度から適正かどうかを確認することです。
ある目的で電気工事を依頼したいというときに、どのような工事をすべきかは一義的に決まらないことはよくあります。業者が選んだ工事内容が最適なものとは限らないので、慎重に吟味する必要があるというのが一つ目です。
基本的に設備などの新設や交換を目的にして電気工事を依頼するときにはあまり問題にはなりませんが、故障した設備を直して欲しいという場合に交換か修理かというのは注意しなければなりません。
腕の良い電気工事士が行えば修理対応ができるのに、交換してしまうと判断する業者もあります。一方、新設や増設などを行う場合にも設置する設備がニーズに合っているものではない場合があるので気をつけましょう。設備の選定を業者に依頼するとや、オーバースペックのものを選ぶことがよくあるからです。
設置したものが不便な場合にはクレームが付きやすいですが、ややオーバースペックなくらいなら工事費用にさえ納得してもらえれば、後からトラブルが起こるリスクが低くなります。そのため、可能であれば設備の仕様は細かく提案して、見積もりを取ったときに適切な製品を選んでいるかを確認する形で相談を進めましょう。
二つ目の注意点が費用の適正さです。通常、電気工事にかかる費用労務単価と施工単価から計算されます。労務単価とは工事をする人に対して払う報酬です。公共工事設計労務単価が都道府県によって設定されているので、基本的にはこれを踏襲して計算されます。
作業内容や作業にかかる時間から計算されるため、工事内容が正しく見積もられていれば内容は適正なものになるでしょう。工事内容を項目ごとに分けて記載してもらうように伝えておけば安心です。
一方、施工単価の方は慎重に吟味しなければなりません。施工単価とは工事内容に対してかかる時間や内容に応じて何人分程度の人件費が必要かを計算したものになります。
コンセントの増設程度であれば一人分にも満たないのが基本ですが、RC造のオフィス物件の壁にLANを埋め込む作業ともなると数人分にもなることがあります。この見積もりにはかなりばらつきがあるのが特徴です。
さらに、計算された費用に対して工事に必要になる交換部品や消耗品なども加えた値が施工費用として提示されることもあるため、内訳を明確にしてもらわないと適正かどうかが判断できません。内訳がない場合には必ず明記してもらい、個々の計算が正しいかまで確認するのが大切です。
2.見積もりを複数の業者で比較
電気工事の見積もりを取ってみても内容が正しいかどうかがわからない、もっと良い方法があるのではないか、本当に適正価格なのかという点で悩む場合があります。その際に有用なのが複数の業者から見積もりを取って比較することです。
内訳まで細かく記載してもらった見積書を比較してみると、労務単価や施工単価が適正かどうかは一目でわかります。基本的には誠実な対応をしてくれる業者が多いので、三社以上から見積もりを取って比較すると多数派の見積もりの方が正しいだろうと判断できるでしょう。
また、工事内容についても大幅に違うものが一つあれば、何か特別な部分があるのだろうと考えられます。もしそれが明らかに高額な工事なら、その工事を選んでいる理由を問い合わせ、別の方法として他の業者が提案しているものを伝えてみるのが賢明です。
逆に特別に安い工事をしてくれる業者があるときには、他の業者が提案している工事と比べてどのようなメリットやデメリットがあるかを確認し、納得できる説明をしてくれるかをチェックしてみましょう。こうすることによって内容を吟味しやすくなり、最も良い見積もりを出してくれている業者に依頼することが可能です。
一般的には見積もりを取るだけであれば費用は一切かかりません。やや手間がかかるのは確かですが、電気工事を依頼して失敗しないための基本として十分に見積もりの比較を行いましょう。
3.まとめ
電気工事の見積もりは適正かどうかについて工事内容、費用の二つの角度から慎重に確認する必要があります。見積もりが工事の項目ごとに分けて記載してあり、費用の内訳明確で、計算方法まで示してあれば適正さを吟味できます。
複数の会社から見積もりを取って比較するとわかりやすいので、まずは三社程度に相談してみましょう。